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2023.12.18TESOLポイント:「英語だけ」にするのは本当に効果的なのか?
多くの郡山市英会話教室では「英語だけ」のルールが設けられています。「ここは英語を学ぶための場所なので、教室にいる間は英語でしか喋ってはいけません」というようなルールです。ルールの目的は英語の使用を促す事でしょう。アウトプット仮説では、ターゲット言語を使う程習得するのだと教えているので、研究にも基づいているように見えます。
では、次の場面を少し見てみましょう:
文法のレッスンで、例えば「have」と「has」の使い方を説明する時に「主語が一人称もしくは二人称の時は「have」を使って、三人称の時は「has」を使うのだ」というような内容の時でも、「英語だけ」のルールに従うために教師が全部英語で説明する。
郡山市の英会話教室で実際行われているレッスンです。この場面で「英語だけ」のルールを守るのは効果的でしょうか?文法を説明する時に使う英語は日常会話の時よりも難しい事が多いです。この場面には大体3つの結果が想定されます。①生徒は説明を理解することが出来て、レッスンは続行する。②生徒は説明を理解することが出来なかったので、教師は説明を何度か繰り返すか違う方法で説明します。このパターンだとひとつの説明で何十分も費やす事が多いです。③生徒は説明を間違えて理解して、レッスンは続行します。このパターンだと勘違いによってコミュニケーションのすれ違いが起こったり、勘違いを直すのにまた時間が掛かる事になります。この3つのパターンの内、①のパターンが一番珍しいです。大抵の場合は②か③のパターンになります。
このやり方はアウトプット仮説に従ってる様に見えますが、「i+1の原則」を無視しています。「i+1原則」とは、生徒が学ぶべき内容は今の生徒のレベル(iの事)の一つ上のレベル(+1の事)だと意味します。それより上のレベルの内容を学ぶのはほぼ効果がないと言っても過言ではないです。例えば数学では、代数を学ぶ前に幾何学や三角法を学ぼうとしても代数のノウハウがないと何時間掛けても進歩しない事と同じです。文法の説明は日常会話よりも難しい英語を使う事が多いです。
TESOLポイントは「英語だけ」のルールで済ませるのではなく、日本語と英語の使い分けを良く考える事です。日本語の説明の方が効果的なのか、英語でインプットを増やすのかを、目的を持って行う事です。